およろこびの旗を立てみぞれするさへ|昭和八年十二月 この句は、昭和八年十二月に詠まれました。前書きに「皇太子御誕生」とあります。 昭和天皇が即位したとき、皇太子(男子のお子様)はいませんでした。昭和八年十二月二十三日に明仁親王(現・上皇)が誕生し、皇 続きを読む 2019年12月22日
ひかりは空から少女(オトメ)らはおどる|昭和九年十一月 この句は昭和九年十一月十二日の日記に記されています。 小郡(現・山口市小郡)の其中庵に落ちついて二年が過ぎ、句友と語り合ったり、俳句を作って句集を出版したりという日々を過ごしていました。しばしば旅 続きを読む 2019年11月22日
あてもなくあるけば月がついてくる|昭和七年十月 この句は昭和七年十月十七日の日記に記されています。 山頭火は、眠れない夜や庵に来訪がないときの寂しさを紛らわすために、よく散歩に出かけています。あてもなく歩きながら見上げた空には月が浮かび、周囲に人 続きを読む 2019年10月22日
波の音たえずしてふる郷遠し|昭和五年九月 この句は、昭和五年九月三十日に詠まれた句です。 九月の上旬に熊本を出立して旅に出ており、鹿児島・宮崎方面を歩いていた時期の句で、絶えず聞こえてくる波の音を聞きながら遠いふるさとを想い起こしている句で 続きを読む 2019年9月22日
水底の太陽から釣りあげるひかり|昭和十年八月 この句は、昭和十年八月十八日に詠まれました。前日十七日の日記に、次のように記されています。 樹明君に連れられて、椹野川尻で鮒釣見習。 おそらくこのときの様子を句に詠んだものと考えられます。「 続きを読む 2019年8月22日
汽車がいつたりきたりぢつとしてゐない子の暑いこと|昭和十年七月 この句は、昭和十年七月二十七日に詠まれた句です。 日記を読むと、この日に小郡の其中庵(ごちゅうあん)を出発し、汽車に乗って門司へ向かい、八月三日まで一週間ほど福岡の友人たちを訪問するなどして過ごして 続きを読む 2019年7月22日