からだあたゝまる心のしづむ│昭和五年十二月 昭和五年十二月、福岡市内から二日市町(現筑紫野市)まで歩き、武蔵温泉にて詠んだ句。武蔵温泉は現在の二日市温泉です。 山頭火は温泉好きです。その理由を日記や句から探ってみます。 私が温泉を好むのは、い 続きを読む 2023年11月30日
岩ばしる水がたたへて青さ禊する│昭和十四年十一月 昭和十四年十一月、山頭火は四国八十八ヵ所を巡礼していましたが、高知で「思いあきらめて」松山へ向かいます。その途中、現在の仁淀川町にて川沿いを行乞した日に詠んだ句です。 高知県の中央を流れる仁淀川(に 続きを読む 2023年11月1日
大地したしう夜をあかしたり波の音│昭和五年十月 昭和五年九月、再び熊本を出発して旅に出た山頭火は、宮崎へと進み、句友に会った後海沿いを南下して現在の日南市に入りました。 十月七日、目井津というところに宿を取りますが、飲み過ぎて野宿をしてしまいます 続きを読む 2023年10月1日
雨ふるふるさとははだしであるく│昭和七年九月 昭和七年九月の句。小郡で詠まれましたが、防府市内で最初に建立された山頭火句碑にも刻まれており、ふるさと防府では知名度のある句です。 当時山頭火は落ち着いて暮せる場所を探していました。川棚での結庵が難 続きを読む 2023年9月1日
更けて雲からまんまるい月がうらぼん│昭和十五年八月 昭和十五年八月十八日の句。松山の一草庵に住んでいた時期です。 当時は世の中が戦争に向かっており、米や砂糖が切符制になっていった時代でした。この頃にはほとんど行乞をしなくなっていた山頭火は、友人や息子 続きを読む 2023年8月1日
あなたがきてくれるころの風鈴しきり鳴る(樹明君に)│昭和十年七月 昭和十年七月、小郡の其中庵に住んでいる時期に詠まれた句です。前書きにある「樹明」は国森樹明で、其中庵時代の山頭火を支えた友人の一人です。小郡農学校に勤めていた樹明は、頻繁に其中庵を訪れています。 句 続きを読む 2023年7月1日