今月の一句

霧島は霧にかくれて赤とんぼ│昭和五年九月

 昭和五年九月、山頭火はこれまでの日記や手記をすべて焼き捨て、一時滞在していた熊本から再び旅に出ました。新たな日記として『行乞記』をつけ始め、そこには「私は今、私の過去一切を清算しなければならなくなつ

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夕立晴の花をたづねてあるく|昭和八年七月

 昭和八年七月の句。この年は小郡の其中庵(ごちゅうあん)に住んでおり、そこからたびたび、北九州や山口県内など近隣に行乞することもありました。掲句を詠んだ日にも午前中に鋳銭司で行乞しています。さらに夕方

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