今月の一句

あるがまま雑草として芽をふく│昭和十年

 昭和十年の句。二月の日記で  雑草あるがまま芽ぶきはじめたと詠んでいるのをのちに推敲したのが掲句です。  山頭火は〝雑草〟に対して深い思い入れをもっていました。特に、昭和九年に旅先で肺炎を患い、やっ

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汽車も春風のふるさとのなか│昭和八年二月

 昭和八年二月の句。 まず、掲句は非常に映像的な句です。汽車の窓から入る春風を感じながら車窓を眺めている様子、あるいは暖かな春風が吹く中を汽車が走っていく風景が、映像として鮮やかに思い浮かぶのではない

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