うまい水の流れるところ花うつぎ(昭和七年六月) この句は昭和七(一九三二)年六月十八日の日記に記されている句です。山頭火は下関の川棚温泉に結庵しようと奔走していました。数日前から木下旅館に宿を取り、この日山頭火は、朝から下関市にある狗留孫山修禅寺 続きを読む 2019年6月22日
くもり、けふはわたしの草とりデー|昭和八年五月 この句は昭和八(一九三三)年五月二日の日記に記されている句です。この頃山頭火は其中庵に暮らしていました。 この句が記された二日前の日記には、夕方から土砂降りの雨が降ったことが書かれています。その雨で 続きを読む 2019年5月22日
春へ窓をひらく|昭和七年四月 この句は、昭和七年四月十一日、佐賀県唐津市付近から福岡県糸島市付近を行乞した日のものです。前後の日記を読むと、 四月九日 花、花、花だ、満目の花だ、歩々みな花だ、四月十一日 木の芽はほんたうに美しい 続きを読む 2019年4月22日
春風のテープもつれる別れもたのしく|昭和十三年三月 この句は昭和十三(一九三八)年三月二十日の日記に記されている句で、同月十二日に出発した大分の旅で詠まれました。 この日の日記には 申分のないお天気、ほんたうに好い季節。 早く眼覚めて入浴、散歩、そ 続きを読む 2019年3月22日
ランプともせばわたしひとりの影がおおきく|昭和九年二月 この句は、昭和九年二月六日に詠まれました。小郡の其中庵に安住していたころのものです。 一人住まいの其中庵の中、ランプの灯をつけると自分の影ができ、それが実際よりも大きく壁やふすまなどに映っている、と 続きを読む 2019年2月22日
わが庵は雪のあしあとひとすぢ|昭和八年一月 この句は、昭和八年一月二十六日に詠まれました。当時山頭火は、小郡に其中庵(ごちゅうあん)を結んで暮らしていました。この日の日記を見ると、雪が降っていたことが分かります。 ところが、雪だ、このあたりに 続きを読む 2019年1月22日