常設展示室にて「生誕140年記念 自由律を開拓した俳人・荻原井泉水」を開催しました

<会期> 令和6年4月12日(金)~令和7年4月6日(日)

 種田山頭火や尾崎放哉の師、荻原井泉水は、2024年で生誕140年を迎えました。その記念として、自由律俳句を開拓した俳人・井泉水についてご紹介しました。

 荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)
 明治17(1884)年~昭和51(1976)年
 本名藤吉。第一高等学校在学中に「一高俳句会」を起こし、東京帝国大学卒業後は河東碧梧桐の新傾向俳句運動に参加、明治44年には俳誌『層雲』を創刊。『層雲』は碧梧桐が去ると井泉水の個人誌となり、無季自由律を推進。『層雲』は全国に広がり、山頭火や尾崎放哉をはじめとする多くの自由律俳人を輩出することになる。『層雲』を主宰する傍ら、小林一茶や松尾芭蕉の研究にも取り組み、特に一茶研究では多くの遺稿を校訂し研究史に名を残している。

○展示資料

『層雲』創刊号(明治44年4月・層雲社)
 井泉水が創刊した自由律俳誌。山頭火や尾崎放哉等を輩出した。

句集
『流転しつゝ』(大正13年2月・聚英閣)
『皆懺悔』春秋社・昭和3年12月
『句集 梵行品』改造社・昭和7年6月
『無所住』層雲社・昭和10年10月
『海潮音』一條書房・昭和17年4月
『千里行』光文社・昭和21年7月
『原泉』井泉水先生喜寿祝賀会・昭和35年6月
『長流』井泉水先生半寿祝賀会・昭和39年11月
『大江』弥生書房・昭和46年8月
『四海』文化評論出版・昭和51年12月

『新俳句提唱』(大正11年3月・天佑社)
 俳論。扉で「自然・自己・自由の三位一体」を唱える。以降、井泉水はこの言葉を晩年まで掲げた。

『旅のまた旅』(昭和4年9月・春陽堂)
 随筆。大正13年から5年間の旅の手記を集めたもの。

『定本一茶全集 第一巻』(昭和24年4月・羽田書店)
 井泉水は芭蕉や一茶等江戸時代の俳人の研究も熱心に行っていた。