雨の日限定展示

山頭火ふるさと館スタッフTです。

6月から7月まで、「雨の日限定展示」を行っていました。
雨の降った日に、
雨を詠んだ山頭火の句を一句ずつ展示し、
雨にもかかわらず来てくださった方々に見ていただいていました。

一日一句ずつ掲示していた雨の句を、このブログでも紹介します。

 風の日ねもす春孕む雨の夜となりぬ 大正三年『層雲』

 つめたい雨のうつくしい草をまたぐ 昭和五年 日記

 このいたゞきのしぐれにたゝずむ 昭和七年 句帖

 ふるさと遠い雨の音がする 昭和七年 日記

 雨がふつてもほがらか 昭和七年 日記

 雨がふる逢ひたうなる雨が 昭和八年 日記

 朝焼しめやかな雨がふる 昭和八年 日記

 雑草みんないつしんに雨を浴びて 昭和八年 日記

 雨を聴く秋の夜のふかみゆく雨を 昭和八年 日記

 しのゝめの笹の葉のさゝやくはしぐれか 昭和八年 日記

 蜜柑うつくしいいろへしぐれする 昭和八年 日記

 足音は郵便やさんで春めいた雨 昭和八年 日記

 山はひそかな朝の雨ふるくちなしの花 昭和九年 日記

 いちにち雨ふる土に種子を抱かせる 昭和十年 日記

 山のしづかさへしづかなる雨 昭和十一年 日記

 草のうつくしさはしぐれつつしめやかな 昭和十一年『草木塔』

 七夕の天の川よりこぼるる雨か 昭和十五年 日記

みなさまのお気に入りの句はありましたか?
私は昭和十年の「いちにち雨ふる土に種子を抱かせる」がとても好きです。
土の中に眠る種も恵みの雨を受け、いずれは芽を出し花を咲かせる…という明るい未来の予感が詠まれているような気がします(個人の感想です)。

雨の句を読んで、少しでも「雨も悪くないかも」と思っていただければ幸いです。