みなさまこんにちは。山頭火ふるさと館学芸員の高張と申します。
今回から4回に分けて、企画展「山頭火に出会った人々」で登場する4人の友人たちをご紹介していきます。
企画展では彼等の資料を展示しています。直筆原稿や直筆の掛軸などもございます!
さて、今回取り上げるのは、大山澄太(おおやますみた)。
「あんたのいのちがけの俳句道精神には驚いてしまつた」※
山頭火の亡くなった翌年、澄太は山頭火の句や遺稿をまとめて出版しました。これはその「はじめに」に書かれた澄太の言葉です。澄太は、山頭火が約一年で1000句以上も句を作っていたことに驚き、このように書いています。
続けて、次のように書きます。
「その驚きと、悲しみと、笑ひとは、あんたをめぐる数人のものだけで味ふ(あじわう)には、あまりにも大きく、且つ惜しいものがあると思つた」
山頭火の作品をより多くの人に知ってもらいたいという思いが伝わってきますね。
澄太はその後も、俳句や遺稿の出版や全集を編集などに携わり続けました。現在、山頭火の名は全国に知れ渡っています。その素地を作ったのが、大山澄太だということができるのです。
※『愚を守る 山頭火遺稿』(大山澄太編、春陽堂書店、昭和16年)
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