令和2年12月 | 生きてゐることがうれしい水をくむ |
11月 | ほろほろほろびゆくわたくしの秋 |
10月 | 誰もゐないでコスモスそよいでゐる |
9月 | このいたゞきに来て萩の花ざかり |
8月 | トマトを掌に、みほとけのまへに、ちちははのまへに |
7月 | ゆふべはうれて枇杷の実のおちるしめやかさも |
6月 | ひさしぶり逢へたあんたのにほひで |
5月 | きんぽうげ、むかしの友とあるく |
4月 | わいてあふれる湯のあつさ汗も涙も |
3月 | 水底青めば春近し |
2月 | ならんであるく石だゝみしめるほどの雨 |
1月 | お正月の誰もこない小鳥の合唱 |
令和元年12月 | およろこびの旗を立てみぞれするさへ |
11月 | ひかりは空から少女らはおどる |
10月 | あてもなくあるけば月がついてくる |
9月 | 波の音たえずしてふる郷遠し |
8月 | 水底の太陽から釣りあげる光 |
7月 | 汽車がいつたりきたりぢつとしてゐない子の暑いこと |
6月 | うまい水の流れるところ花うつぎ |
5月 | くもり、けふはわたしの草とりデー |
平成31年4月 | 春へ窓をひらく |
3月 | 春風のテープもつれる別れもたのしく |
2月 | ランプともせばわたしひとりの影が大きく |
1月 | わが庵は雪のあしあとひとすぢ |
平成30年12月 | 凩のふけてゆく澄んでくる心 |
11月 | 実ばかりの柿の木のなんとほがらかな空 |
10月 | 秋空、一点の飛行機をゑがく |
9月 | 三日月よ逢ひたい人がある |
8月 | うぶすな神のおみくじをひく |
7月 | 山のしづかさへしづかなる雨 |
6月 | 水田青空に植ゑつけてゆく |
5月 | ひとりひっそり雑草の中 |
4月 | さくらさくらさくさくらちるさくら |
3月 | 後になり先になり梅にほう |
2月 | 春がきた水音のそれからそれへあるく |
1月 | 父によう似た声が出てくる旅はかなしい |
平成29年12月 | うしろすがたのしぐれてゆくか |
11月 | ふる郷の言葉なつかしう話しつづける |
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